不確実性の高い製品開発プロジェクトの納期を守るCCPMを活用したプロジェクトマネジメント変革
製品開発CCPM
「納期を守るプロジェクトマネジメントにCCPM手法が有効と言われるが、考え方は分かるけれど、
特殊事情が多い製品開発に、CCPMが簡単に当てはめられるとはとても思えない...。」
製品開発に実際に従事されている方ならば、このように考えるのは自然なことです。
実際、製品開発にCCPMの手法だけを当てはめようとして、失敗に終わるケースは山ほどあります。
私たちゴール・システム・コンサルティング(GSC)は、TOC-CCPMだけをコンサルティングするのではなく、
エンジニア出身者が製品開発の環境を熟知した上で、製品開発部門に伴走し、
納期に遅れないプロジェクトマネジメントをサポートします。
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製品開発プロジェクト特有の難しさとは
製品開発プロジェクト現場で耳にする悩み
GSCが提供する製品開発のプロジェクトマネジメント支援の特長
不確実性の高い製品開発をマネジメントするに
組織による製品開発プロジェクトをマネジメントするには
事例紹介
GSCが提供するコンサルティングメニュー
製品開発プロジェクトマネジメントに関するGSCの取り組み
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製品開発プロジェクト特有の難しさとは
なぜ、製品開発のプロジェクトマネジメントは難しいのでしょうか? 製品開発のプロマネを御するためには、まず、製品開発プロジェクトにはどのような特徴があるのか、その特殊な環境を理解しておく必要があります。 |
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1. 要求納期に押され、無理なスケジュールで 開発をスタートしがちになる |
新製品をリリースする際、重要顧客からのビジネス獲得のため、厳しい要求納期に対応することが求められるあまり、裏付けのないまま納期を約束し、無理な開発日程の作成につながりがちです。 一見成立しているように見える開発スケジュールも、実際には、納期から逆算してタスクを割り当てただけの「逆線表」になっていることも多く、開発メンバーは「これならできる」という実感を持てないまま開発をスタートすることになります |
2. |
年々顧客からの要求特性レベルが上がる中、高い完成度の製品を開発する上では製品を構成する各サブシステム(メカ・エレキ・ソフト)間の取り合いをうまく調整しながら「すり合わせ型開発」を進めることが重要な課題となります。 しかし、実際には「すり合わせ型開発」を標榜しながらも、短納期対応のために工程表上で単純に各検討を並行させただけになってしまいがちで、後になってからお互いの調整でもめたり、手戻りが発生することも少なくありません。 |
3. 製品開発ならではの事情により不確実性が高く、 スケジュールを組むのが難しい |
1)製品開発プロジェクトの工程は、エンジニアに依拠する時間が大半です。手順が明確で時間の見当が付く作業よりも、集中して考えなければ答えが出ない非ルーティンの難しいタスクが多く、そのタスクに何日かかるのかを正確に予測することは難しいです。 |
2)製品開発の主役は「人」であり、人の忙しさは機械設備のように分かりやすく把握できないため、優秀なエンジニアこそ、複数テーマを受け持つことになり、兼務のし過ぎで集中力が落ち、生産性が低下する「悪いマルチタスキング状態」になることも多いことが、一層、作業時間の予測を難しくしています。 | |
3)さらに、新製品開発の多くには仮説を検証する「実験」が含まれています。1回でうまくいくのか、3回以上試すことになるのか、やってみないと分からないため、スケジュールを組むことは非常に困難です。 | |
このように、製品開発プロジェクトのマネジメントは、様々なプロマネの中でも専門性が高く、難しいものです。 しかしながら、製品開発部門の管理職の方は優秀なエンジニア出身の方が多いため、技術力に比べて、プロジェクトマネジメントの重要性評価は必ずしも高くありません。 現場では、エンジニアはやり直しをして成長するものだ、あるいは、とりあえず自分でなんとかするという考え方が根強くあります。 しかし、かつてのように残業時間を使って何とかすることは、働き方改革が求められる中、現在では難しくなっています。 |
製品開発プロジェクト現場で耳にする悩み
現場では製品開発特有の難しさを抱えながらも、競争力に直結する新製品のリリース時期は死守せねばなりません。 品質もコストも配慮しながらも、どうにか納期を守ろうとするなかで、マネージャーもメンバーも、日々悩みを抱えています。 |
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マネージャーの悩み |
顧客からの納期要求が厳しく、プロジェクトリーダーからはその納期ではムリと報告があがってくるが、中身が分からずリーダーに「何とかしてくれ」と頼るしかない |
DRをすると大きな問題(数カ月単の遅れ)があがってきて無理な残業に頼って何とかするしかないが、昨今の働き方改革から残業に頼れず次のフェーズに問題を先送りにするしかない |
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製品開発のマネジメントを強化するために、トップダウンでCCPMを導入したが、現場からはやることが増えただけと言われ上手く機能していない |
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プロジェクトリーダー・ |
マネージャーからは、無理な納期要求があり、実行可能なスケジュールの立て方が分からない(開発者の経験と勘による作成)ので根拠のない無理をした計画で実行するしかない |
やってみないと分からないことが多く、計画を立てても実行中は計画修正に追われ、いずれ使わなくなったり、報告の前に修正して使うためだけの資料になる |
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DRBFMなどの品質管理ツールはDRのためだけの資料になっていて、時間だけが取られ活用できていない |
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市場製品の不具合対応などに時間が取られ、プロジェクトテーマに時間が割けない |
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上位へ報告すると怒られたり、何とかしろと言われるため、なるべく報告しないで自分たちで何とかしようとする |
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このような悩みを解決するため、ゴール・システム・コンサルティング(GSC)は製品開発現場に入り込んだ伴走支援を積み重ね、 |
GSCが提供する製品開発のプロジェクトマネジメント支援の特長
1.製品開発現場のリアルを知る、製品開発部門出身コンサルタント
ゴール・システム・コンサルティング(GSC)の製品開発コンサルティングでは、お客様の製品開発プロジェクトのワークショップ活動を通して、プロジェクトマネジメントを強化する支援を行っています。
プロマネ手法を教えるだけでなく、マネージャーやメンバーとともに考え、実際の開発テーマの工程表を一緒に作り上げるところから伴走するスタイルを特徴としています。
そのため製品開発プロジェクトのコンサルティングでは、製品開発環境への深い理解を有する、製造業の製品開発部門出身コンサルタントが支援しています。
また、チーフにはTOC(制約理論)の実践経験10年以上の人間が入り、製品開発特有の環境理解と、TOC知識の両面から、納期を守れる製品開発をサポートします。
ここが違う!製品開発部門出身コンサルタントによる支援
例えば、現在の開発フェーズは、商品企画(DR1)が終了し構想設計を開始する段階だと仮定します。
その際、CCPM工程表を立てる際は構想審査終了(DR2)までの計画を立てればよいのでしょうか。量産前審査(DR4)まで立てればよいのでしょうか。
あるいは、メカ・ハード・ソフトの各機能ごとに工程表は分けて計画したほうがよいのでしょうか。
これは開発プロジェクトの難易度や規模によって計画の立て方が異なりますし、各工程表の中身(タスクの粒度や繋がりなど)について一緒に考え「実行可能なCCPM工程表を作り上げる」必要があります。
そのため、製品開発環境を深く理解している製品開発部門出身のコンサルタントで無ければ「製品開発環境でCCPMを活用したマネジメントの支援」は不可能です。
仮に計画が立てられたとしても、実際の開発現場の状況とCCPM工程表が表す危険度が一致せず、マネジメントが最大限機能しない結果になります。
2.CCPM+複数手法の統合により、不確実性の高い製品開発マネジメントを可能にした
「製品開発のためのCCPM」
製品開発プロジェクトマネジメントのサービス提供にあたっては、TOC(制約理論)のプロジェクト管理手法であるCCPM(クリティカルチェーンプロジェクトマネジメント)を活用し、納期遵守可能なマネジメントの定着をめざします。CCPM解説補助ページはコチラ
※各図解はクリックで拡大表示します。
従来の代表的なプロジェクト管理手法であるCPM(クリティカルパス法)では、個々のタスクの依存関係を特定し、最も長いタスクのつながりである「クリティカルパス」を管理します。
しかし残念ながら、CPMでは効果的なプロジェクトのマネジメントは難しいのです。なぜでしょうか?その理由を考えるためにはプロジェクトが遅れるメカニズムを考えてみる必要があります。
通常、製品開発プロジェクトをはじめとするプロジェクト型業務の各タスクには、繰り返し型の業務と異なり、所要期間に大きな変動性(ばらつき)が存在します。
一方で、プロジェクトのタスク間には従属性(依存関係)があります。これら変動性と従属性が組み合わさることで、タスク間を遅れだけが伝播する一方で、進みは伝播しないという性質があります。
そして、この遅れの伝播に拍車をかけるのがプロジェクトの実行を担う人間の行動特性です。
先の図のように各タスクの所要期間には変動性があります。
にもかかわらず、通常のプロジェクト管理では各タスクを期日通りに完了することで最終的なプロジェクト納期を守ろうとします。
このような状況のもとでは、タスク担当者はタスクの期日を守るために計画時点で各タスクに安全余裕を含めます。
このようにして各タスクに含まれた安全余裕が、目論見通りプロジェクトの納期通りの完遂のために活用されれば良いのですが、実際はそうならないのです。
実行場面に入ると、人間の行動特性の発現 (学生症候群、悪いマルチタスキング、パーキンソンの法則、早期完了の未報告)によって無駄に使われてしまうのです。
また、多くの製品開発環境においては、スキルの高いエンジニア、あるいは特殊な試験装置といった供給量に制約のあるリソースが存在します。
これら特定のリソースで遅れが発生すると、前述した従属性によりプロジェクト内およびプロジェクト間を伝播することになります。
それに引きずられて、クリティカルパスも移動することも多く発生し、CPMが意図するような集中管理は機能しません。
このようにCPMをはじめとする従来の管理手法では、プロジェクト遅れのメカニズムに明示的に対処できていないのです。
納期に遅れないための製品開発プロジェクトマネジメントの現場でCCPMが必要とされるのは、まさにこの遅れのメカニズムに明示的に対処するソリューションだからなのです。CCPM解説補助ページはコチラ
不確実性の高い製品開発をマネジメントするには
昨今の顧客要求のさらなる高度化、働き方改革による労働時間の減少などにより、開発環境では今まで以上に効率化が求められています。
不確実性の高い製品開発環境では、やってみないと分からないことが多く、それを適切に計画に織り込むことは非常に困難です。
このため弊社ではCCPMとその他の手法(セットベースコンカレント開発、リスクアセスメント、品質管理ツール、チームマネジメント)を上手く活用することによって、不確実性の高い製品開発プロジェクトにおいてもCCPMを活用したマネジメントを可能にしています。
組織による製品開発プロジェクトをマネジメントするには
組織としてCCPMを活用した製品開発プロジェクトのマネジメントをするためには、マネージャー層による輻輳する複数のプロジェクトのマネジメント(パイプラインマネジメント)、リーダー層による各プロジェクトのマネジメント(プロジェクトマネジメント)、およびメンバー層による実行マネジメント(チームマネジメント)、の3つが有機的に連携する必要があります。 | |
パイプライン マネジメント |
マネージャー層は、各プロジェクトの優先順位を明確にした上で、マルチプロジェクトCCPMの方法論により各プロジェクトの着手タイミングを計画します(プロジェクトのスタガー)。 そして実行中はプロジェクトの危険度に応じたタスク優先度の決定、およびそれに基づくリソースの割り振り見直し等の対策を行います。 このレイヤーで決められるプロジェクト着手タイミングに無理があると、プロジェクトマネージャーのレイヤーでマネジメントすることは困難になります。 その意味で、このレイヤーのマネジメントは、他の2つのレイヤーのベースになると言えます。 |
プロジェクト マネジメント |
各プロジェクトのリーダー層は、マネージャー層で設定した着手タイミングに基づき、シングルプロジェクトCCPMの方法論により、クリティカルチェーンとバッファの考えを取り入れた各プロジェクトの工程表を作成します。 実行中はクリティカルチェーンの進捗とバッファの消費によるマネジメントを行います。 |
チーム マネジメント |
メンバー層は、最新のプロジェクト工程表を見ながら週次の「段取りミーティング」で当該週のタスク実行計画を立案します。 そして、日々短時間ミーティングを実施することで迅速な問題検知と解決を行い、一週間の終わりでは予実確認と振り返りを行います。 このように一週間サイクルとするマネジメントを行い、バッファの無駄遣いを抑制します。 |
これら3層のマネジメントが連携することで、プロジェクトの遅れのメカニズムに対処し、納期遵守可能を可能にします。 |
事例紹介
ゴール・システム・コンサルティングはこれまで、CCPMを活用して製品開発プロジェクトマネジメント改革の実行を伴走支援し、
開発納期遵守や品質目標・コスト目標の達成や組織パフォーマンス向上を実現してきました。その事例の一部を紹介します。
大手電子部品メーカー 生産設備開発部門 様 | |
CCPMを活用した設備開発における 先手管理の仕組み作り |
不確実性の高いプロジェクトテーマにCCPMを適用し、プロジェクトメンバー全員が納得のいく「根拠ある計画」の策定、CCPMを活用した状況の見える化、CCPMの実行を支えるチームマネジメントを活用し、先手管理の仕組みづくりを行った。活動2年目でテーマした支援においては納期遵守率100%、テーマ中止率ゼロを実現した。 |
アズビル 株式会社 様 | |
エンゲージメント向上のための マネジメント体制の構築 |
製品開発の現場のモチベーションと働きがいの向上から、組織の成果向上へと繋げるマネジメント改革を行った。 本マネジメント改革では、1)複数のプロジェクト間のマネジメント 2)単体のプロジェクトのマネジメント 3)開発チーム内のマネジメントの3つの視点で改革を進めた。 その結果、現在ではエンゲージメントは向上し、開発納期遵守率100%、一部のプロジェクトでは約25%の納期短縮を実現した。 |
事例ファイル(PDF) |
アズビル株式会社 バルブ商品開発部「TOC/CCPMによるマネジメント改革の取り組み」 |
岩崎電気株式会社 様 | |
技術開発における 手戻り解消の仕組み構築 |
技術開発(構想設計)において、個人の力量に頼った進め方になっていたために、詳細設計以降の手戻りが多発していた。 手戻り解消のためにリーン製品開発の手法を技術開発に適用した結果、多くの手戻りが解消し開発期間短縮を実現した。 またこの成功事例を技術開発における手順として標準化し組織に定着させた事例である。 |
事例ファイル(PDF) |
岩崎電気株式会社 製造統括本部「マルチプロジェクト環境におけるリーンTOC開発革新活動」 |
オムロン株式会社 様 | |
リスクマネジメントを起点とした 製品開発マネジメント改革 |
開発テーマにおいて、進捗や課題管理はリーダーや担当者任せで推進しており、マネジメント層からはQCDに対するプレッシャーのみがある状況であった。 そのため良い報告をしようと各人が一人で頑張りさらなる遅延を招く結果となり典型的な悪循環に陥っていた。 そのような状況を打破するため、まずは課題の抱え込みを仕組み的になくす「進捗の見える化」、次に課題の根本原因を解決するため形骸化されていた「リスクマネジメント」に手を入れた。 その結果スコープの縮小無く、開発スケジュールよりも前倒しで完遂することができた。 |
事例ファイル(PDF) |
オムロン株式会社 開発部門「3年の開発マネジメント改革が奏功」 |
古野電気株式会社 様 | |
プロジェクトマネジメントの 標準化と展開 |
開発テーマの納期遅延に対処するために、まずはパイロットテーマでCCPMを適用し、そこで得た知識を蓄積し、納期遵守可能なマネジメントのカタとして標準化していった。その結果、納期遵守率は向上した。 これらの取り組みを会社全体に展開するため、プロジェクト運営のための課を発足し、各テーマに製品開発マネジメントの専門家として入り納期遵守可能なマネジメント体制の展開を行っている。 |
事例ファイル(PDF) |
近日公開(更新情報をメールでお送りしております。DM配信登録はコチラ) |
GSCが提供するコンサルティングメニュー
コンサルティング名 | 内容と進め方 | 期待される結果・アウトプット |
ヒアリング調査 |
オンサイト1日間 |
課題ヒアリング結果 |
CCPM導入初期研修 |
・リモート2日間 |
・CCPMの概略を理解できる |
製品開発マネジメント改革 |
・オンサイト2日間/月 |
・プロジェクト計画の作成及び実行支援 |
製品開発プロジェクトマネジメントに関するGSCの取り組み
開発DFM(ダイナミックフローマネジメント)研究会
GSCでは、製品開発部門におけるマネジメント能力向上を目的に、複数のクライアント企業様で集まり、年に数回、各社取り組み事例を共有し意見交換を行っています。
クライアント企業様の取り組み事例はTOCICO, JTOCなどの学会で報告を行っています。
セミナー
TOCソリューション基礎講座として、無料のCCPM基礎セミナーを定期的に実施しています。
製品開発をスピードアップさせるために、CCPMの概論、シングルプロジェクトのマネジメント、マルチプロジェクトのマネジメントの3部構成で解説しています。 現在予定されている無料セミナーはコチラ